あなたが事業を通して実現したいことは何ですか?社会や顧客にどのような価値をもたらすためにビジネスを行うのか(=利益を得るのか)の大きな枠組みを示すものが、経営理念です。また、経営理念をかなえるために長期的なストーリや将来像を描くものがビジョンです。この2つの考えは事業計画を作成する上で重要な考えになります。
もくじ
あなたが事業を通して実現したいことは何ですか?

ええと…、食を通じてお客様に幸せを感じてもらうことです!やはり、目指すは地域No.1です!

(行政書士)
素晴らしいですね!簡単に言うと「食を通じてお客様に幸せを感じてもらうこと」が基本理念で、「地域No.1」がビジョンですね。
スタートアップ企業の多くが、「このビジネスをやりたい!」と強い決意から始められることだと思います。そのビジネスをどのような価値観を持って取り組むのか、また、それに取組むことの意義や担う使命を語るのが企業理念です。そして、その事業が目指す目標や、将来像についてがビジョンとなります。また、ミッションとは、あなたが事業を通じて社会にどんな価値を提供したいのかを示すものです。
企業理念 ビジネスをのような価値観を持って取り組むのか、また、それに取組むことの意義や担う使命は何か
ビジョン 事業が目指す目標や、将来像
ミッション 事業を通じて社会に提供したい価値。日々遂行している使命。
企業理念・ビジョン・ミッションはなぜ必要なのか
企業理念・ビジョンは、あなたの事業計画の全体像を端的に示すものです。
あなたが目指すべき姿を、それを実現するためのストーリーが事業計画書に描いていくことになります。つまり、企業理念・ビジョン・ミッションをはじめにしっかり定めておくことで1本の軸が完成します。

企業は1人でビジネスを行うわけではありません。お客様がいて、仕入れの取引先がいます。投資家等の出資者、そしてあなたのビジネスを支えるともに働くパートナーがいます。これらの人たちはあなたの言動や考えに注目しています。あなたの軸がぶれぶれだと、周りの人たちはついて来れず前には進めないものです。そのため、企業理念・ビジョン・ミッションを掲げることで、周りに価値観や目指す方向性を示し、そしてあなた自身がその芯を持ち続けるためのツールになります。
企業理念・ビジョンのつくり方
企業理念のつくり方
いきなり作れ!と言われても、どのように考えればよいかわからない方も多いと思います。ここでは、その思考法をご紹介します。
1. まずは、自分の考えを書き出す
あなたの会社は何のために存在しますか?社会にどのように貢献しますか?実現したい価値観は何でしょうか?
まずはあなたの考えをとにかく多く挙げてみましょう。この際に、綺麗な文章にする必要はありません。
2. 他社の企業理念を真似る
成功している会社には、必ず企業理念があります。他社の企業理念で気に入ったものを書き出してみましょう。どうでしょうか、少しアイディアが深まってきませんか?
3. 顧客や社会にもたらすものを考える
あなたの事業によって、顧客や社会が得られる価値は何ですか?どのような課題や問題点を解決できるものでしょうか?つまり、顧客や社会が抱えるどのような課題や問題点を解決できるものなのでしょうか?顧客がその価値を得ることによって社会はどのように変わりますかを思い描いてみましょう。
4. 10年後を想像できるものにブラッシュアップする
そもそも企業理念というものは、企業の方向性に軸を持たせるためですので、そうそう変更することはできません。1〜3をまとめていく中で、ずっと先の会社のイメージを想像しながらその時も通用するものかどうか、確認してみましょう。
ビジョンのつくり方
ビジョンは、その事業の将来性や成長可能性を示すものになります。具体的には、社会にどのように受け入れら広まっているのか、5年後、7年後、10年後の売上等の経営指標がどうなっているかを意識しながらまとめます。
まずは、何年後をイメージするかを決めましょう。それから、イメージを具体的に挙げていきましょう。
<ビジョンの例>
指数目標 売上高、店舗数、シェア、会員数、客単価、顧客満足度 等
改善目標 コスト削減、ロス率削減、在庫率削減、残業時間削減 等
人材目標 生産性、1人当たりの売上高 等
まとめ
以上、経営理念とビジョンについての説明でした。企業を持続的に成長させていくのであれば、その指針となる経営理念とビジョンは必ず定めるためです。事業計画書はこれらによって示された軸をもとにストーリーを描くように作られ、それは企業にとっての羅針盤となるもになります。つまり、事業計画書の作成はこの経営理念とビジョンを策定するところから始まります。
(行政書士)
起業予定のけいごさんは、起業においてどのような価値観を大事にしていますか?また、それによって何を目指していますか?