定款作成が完了すると、いよいよ資本金の払込みになります。しかし、いざやろうとすると意外に「え、本当にこれでいいの!?」と悩む場面も多いのではないでしょうか。本編では、具体的に「資本金」の“作り方”を、誰が・いつ・どのようにの点から、具体的に解説をしていきます。
“資本金”を払込みのタイミング

株式会社の場合は、定款の認証を公証役場で行います。それが終わった後に、法務局へ登記申請のために訪問する前に資本金の振り込みを完了させる必要があります。合同会社の場合は公証役場での認証は不要ですので、定款の作成が完了したら、振込を行います。
資本金は“誰が”払い込むの?
定款に株式会社の場合は“発起人”、合同会社の場合は“社員”に名前を挙げた人が出資者となり、複数人いる場合はそれぞれが振り込みを行います。
あまりないとは思いますが、株式会社の場合、代表取締役と出資者が異なる場合がありますが、その場合に「代表取締役が現金を出資者から預かって振り込む」ということをする必要はなく、出資者が行います。
資本金は“どこに”払い込めばいいの?
通帳はお手持ちのものでも、新しく作ったものどちらでも構いません。資本金を振り込む際には、「振込」での処理を行います。預貯金が予定した資本金額以上にあったとしても、定款完成後の日付で一度出金して「振込」し直す手間が必要です。

(行政書士)
「預入」ではなく「振込」が基本です。例え、自分の口座であったとしても「振込」にするようにしてください。
発起人が複数人いる場合は、それぞれが資本金を振り込むと決めた口座(いづれかの発起人の口座)に振込を行います。その際、定款で定めた担当金額と同額になるようにしてください。振込手数料や、ATMの場合、高額の金額を振り込めない場合もあるので注意してください。また、振込の際には通帳内の取引欄に間を開けないよう連続して入金をしてください。入金後は必ず通帳の確認しましょう。
資本金は、会社運営の元手となる資金になります。そのため、通帳のコピーを取った時点から使えます。しかし、登記時に振込の不備があったことが分かった場合、「振込」からやり直すことになります。もし、多額の金額を使ってしまったとなると、またお金を用意するのは大変です・・・。よって、会社設立が完了するまでは手を付けずにおかれることをお勧めいたします。
払い込んだ後はどうすればよいの?
“発起人=出資者”の全員が「振込」が完了したら、「表紙」「1枚めくった裏表紙」「資本金お振り込みを確認できるページ」をコピーします。
次に、「払込証明書」を作成します。払込証明書を1枚目にして、通帳のコピー3枚と合わせてホチキス留めをします。「会社印」で払込証明書に押印し、さらに各ページ見開き部分に割印を行います。
- 払込があった金額の総額
- 払込があった株数
- 1株の払込金額
- 日付(振込完了日以降・定款認証日以降)
- 本店住所
- 商号
- 代表取締役 名前


行政書士
押印、割印は「会社印」です!個人印と間違わないようにしましょう。
最近では、通帳レスやネットバンキングもだいぶ普及してきました。「払込証明書」に添付する書類については、インターネットの口座のマイページ等の情報でも問題ありません。ただし、「振込」した情報の部分だけでは足りません。①金融機関名②口座名義人③口座番号④振込人の氏名及び日付のページをプリントアウトしましょう。
「払込証明書」の作成が完了すれば、“資本金の払込み作業”は完了です!
まとめ
資本金振込に関する注意点、また、払込証明書の作成について説明いたしました。ポイントは、通帳は発起人のものであれば新規でも使いかけのものでもよいこと、「振込」処理を行うこと、振込み後は必ず定款と同じ金額になっているか確認することです。振込みが完了したら「払込証明書」を作成し、資本金に関する手続きは完了となります。細かい注意点も多い部分になりますので、一つ一つ焦らず確実に手続きを行ってください。
(行政書士)
まずは、会社設立の手順についておさらいしてみましょう。資本金を振込むタイミングは、定款作成完了後〜登記までの間になります。