「10年生存率は10%未満!?」
起業をお考えの皆さんは、一度は耳にしたことがあるフレーズではないでしょうか。
ましてや自分は“金なし、コネなし、スキルなし”の典型的な3無し。自分はかなりの確率で9割に該当してしまうに違いない!そう思うと、今の“サラリーマン”という名の安定に勝るものはない、と結論付けてしまっているのではないでしょうか?
どこか漠然と「“今のまま”のままでいいのだろうか」と考えているのであれば、まずは成功している自分を想像してみましょう!
本記事ではそのツールをあなたに紹介したいと思います!
もくじ
10年生存率の嘘とホント

え!!7割以上!?思っていたより高かった

(行政書士)
ちなみに、けいごさんは廃業の要因は何だと思いますか?

やはり経営不振ではないでしょうか・・・?

(行政書士)
そうですね。5年未満で廃業する企業は15.5%ですが、その多くの要因が事業が軌道に乗らなかったことでしょう。特に個人事業主の廃業率が高いというデータもあります。
実は、他にも大きな要因があります。
実は多い黒字廃業
東京商工リサーチによると、休廃業企業の損益構造比をみると、なんと6割以上の起業が黒字廃業していることがわかります。経常利益率が10%以上あっても廃業している企業は10%を超えているのです。
ここでポイントは「黒字廃業」であって全てが「黒字倒産」ではないということです。「倒産」の定義は一言では言えませんが、概ね「不渡り」を出すことです。つまり、キャッシュフローが滞ってしまうために、必要な支払いができないことになります。
では、なぜ「黒字廃業」が起きるのでしょうか。
経営者の高齢化が黒字廃業の一要因
同じく東京商工リサーチによると、休廃業・解散した企業の代表者の年齢別は、70代が最も多く39.0%でした。次いで、60代の27.5%、80代以上の16.9%と続き、60代以上が全体の83.5%を占めています。
廃業する企業の社長の8割以上が60代以上です。そのため、黒字で廃業する企業が6割以上というの事態につながっています。日本の開業率4.4%(2018年度)であり、欧米諸外国と比較すると圧倒的に低いのも現状です。しかも、黒字廃業ががんがん起きていては、経済が活性化しません。

わあ!8割以上の企業の経営者が60代以上!つまりはリタイアされたっていうことですね?

(行政書士)
そうなんです。本来であれば「事業承継」が行われて事業が引き継がれるものなんですけれどもね。これはまた別の問題になるのでまたの機会にしましょう。
みなさん、覚えておりますか・・・?「アベノミクス」を。
「アベノミクス」の政策の一つに「中小企業・小規模事業者の革新」が掲げられておりました。政府は「開業率を10%台に押し上げる!」そう宣言していました。当然、政府がそう宣言すれば勝手に上がるわけではありません。
「起業」に暗いイメージを持つな!「起業」は政府公認の立派な行為!

9割の起業が事業に失敗して倒産しているわけではないことがわかりました。でも、政府お墨付きってどういうことですか!?

(行政書士)
「アベノミクス」では中小の黒字企業を増やすために、創業者を対象にした補助金や助成金、融資の優遇措置をとっています。
日本政府は様々な中小企業を対象にした創業支援、事業拡大を後押しする補助金などの制度を用意しています。また、商工会議所や創業支援をするセンター、また国だけでなく市区町村でも地域経済活性化のためのサポートを行なっています。
リスクばかり目につく起業ですが、サポート体制はかなり充実していると言えます。
起業をサポートをする制度について
- 日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/riyou/sougyouji/
日本政策金融公庫では創業時支援のために、有利に融資を受けられるようなメニューを多数用意しています。
新規開業資金
女性、若者/シニア起業家支援資金
生活衛生新起業育成資金
真創業融資制度
資本性ローン

(行政書士)
無担保無保証人で融資を受けられる融資も用意されていますよ。
- 地方公共団体主催の創業時支援
地方自治体では地域活性化のために独自で創業サポートを行っているところも多くあります。自治体の主催するセミナーを受講することを条件に低利率で融資を受けられる自治体もあります。チェックしてみてください!
補助金・助成金
- 「創業補助金(創業促進補助金)」
新たに創業する方を対象に、その創業に有する経費の一部を助成する事業で、新たな需要や雇用の創出等を促し、我が国経済を活性化させることを目的とするもの。国や地方自治体が行っております。
要件等はそれぞれ異なりますが、広く創業時に必要になる経費(賃貸料、人件費、設備投資費、マーケティング費等)が対象になるのが特徴的です。
- 「事業承継補助金」
事業承継補助金は、事業を引き継いだ中小企業・小規模事業者等が行う事業承継後の新しいチャレンジを応援する制度。
承継時に必要になる経費(賃貸料、人件費、設備投資費、マーケティング費等)だけでなく、承継前の事業の整理をする費用事業を一新する場合は、旧業態時にあった在庫の処分費等も補助の対象になります。

(行政書士)
事業承継は、国が積極的に進めている政策の一つのため、手厚いサポートが受けられます。この他にも、開業後に新サービスや新商品発売のための設備投資や販促費等を対象とした補助金もたくさんあります。
サポートセンター
- 商工会議所
商工会議所には経営指導員がいます。補助金、助成金について、開業について、資金繰りについて専門家が無料でアドバイスを受けられます。
補助金の中には、商工会議所でアドバイスを受けることが条件となるものもあります。そして何より、第三者の視点で事業計画書に意見をもらい改善を行うことは、より事業の成功に近づける大事なことです。有料会員になると受けられるサポートの幅も増えます。
- 地方自治体のサポートセンター
例えば、東京都には「TOKYO創業ステーション」という創業支援をトータルで行う拠点です。東京都内在住の方または都内で企業を予定される方に、起業を円滑に進めるためのセミナーをはじめとした様々な支援メニューが提供しています。
・TOKYO創業ステーション
https://www.tokyo-kosha.or.jp/station/
- ホームページ

創業時に役に立つHPをいくつか紹介しますね
・J-NET21〔中小企業ビジネス支援サイト〕
助成金・補助金の情報や融資についての情報を中心に発信されています。
・ミラサポplus
助成金・補助金の情報や融資についての情報を中心に発信されています。専門家派遣についても取り扱っています。
・中小企業庁
経営、財務、補助金サポート等幅広く情報が発信されています。
創業コンテスト
地方自治体によっては創業アイディアコンテストを開催しているところもあります。
例えば、東京都では若者やシニアを対象にしたコンテストを開催しています。自分のアイディアや事業計画がプロ経営者や専門家に評価してもらえるチャンスです。コンテスト上位になると賞金がもらえたり、融資が有利に受けられる優遇を受けられるものもあります。腕試しにエントリーしてみるのはいかがでしょうか。
・東京シニアビジネスグランプリ(東京都)
https://www.tokyo-kosha.or.jp/station/tsbg2019/index.html
・東京スタートアップコンテスト(東京都)
・ビジネスプランコンテスト ドリームDASH!(大阪府)
http://osaka-startupper.jp/contest/

自分のアイディアの腕試しか!商工会議所での相談や融資、補助金には事業計画書の作成が必須みたいだし、どうせ作るなら応募してみるのもありですね!

上記以外にも、民間企業が主催の起業セミナーも多く開催されています。無料のものも多いので参加されてイメージを膨らませるのもいいですね。
いわゆる“3ナシ”でも成功できる?
起業家と聞くとついつい「意識高い系」をイメージしてしまいがちですが、意外に多い起業の動機が“自由な時間が欲しかったから”だったりします。誰しもスタート時に自分のアイディアで勝負をしたいと武器があるのではなく、また、経営学をマスターしているような防具が完備されているわけではないのです。
カネなし!はじめはみんな身の丈起業!
起業をした人のうち費用がかかっていない人はなんと3割弱!副業家に至っては45%の人が費用がかかっていないようです。費用がかかったとしても、自己資金だけで起業している人の割合は7割、借入をした人は1割程度です。
起業家とは言え、皆始めはリスクを極力避けながら始めています。また費用がかかった場合でも、補助金・助成金を活用すれば想像よりも少ない出費で開業できるはずです。

身の丈に合った規模でスタートし、事業が軌道にのれば少しずつ拡大していかれる方が多いんでようね。まずは自分でできる範囲からが成功の第一歩ですね!
コネなし!受注しなければ売上げゼロという現実について
「こんな自分でも受注できるのだろうか・・・?」
やはり、起業前に頭を悩ますのが集客の悩みではないでしょうか。どんなに素晴らしい商品やサービスを思いついても、あなたが素晴らしいスキルを持っていたとしても、それを売り込めなければ始まらないのも事実です。
しかし、インターネットが普及した現在、必ずしも“コネ”がなくとも仕事は受注できます。実際に、起業した人の中でも3割近くがホームページ等からの受注をしているという結果が出ています。
スキルなし!それでもあなたには強みがあるはず!
スキルはあるに越したことはないですが、必ずしもなければならないものではないはずです。それよりも大事なのは、どのようなビジネスで事業を始めるかの“アイディア”ではないでしょうか。
アイディアがまだかたまっていなかったり、事業計画へ具体的に落とし込むのに自信がなければ、商工会議所や創業サポートセンターでアドバイスを受けることをお勧めします。事業計画書が書ければ頭の中もだいぶ整理されて、具体的な道筋が見えてくると思います。
まずは動き出そう!お金がかかるのは、どこから?
日本人特有の起業に対する「ネガティブ」なイメージが原因で、一歩前に踏み出すことができない人も多いと思います。しかし!一歩前に踏み出すだけならタダです。リサーチするだけなら、大した出費になりません。
ここで一度、「出費」を発生するポイントを整理してみましょう。
リサーチの費用(書籍代、セミナー代、交通費、交際費)
始めに言います!唯一かかる創業期の出費です。
書籍で情報収集をしたり、セミナーに参加したり、先輩起業家にインタビューしたり、商工会議所に行けば創業に関する情報やアドバイスをもらうこともできます。
家賃、人件費、会社設立費、HPのサーバー代、通信費、設備投資、広告宣伝費
出費ポイントをざっくり上げてみましたが、ほとんどの出費ポイントは「会社設立時」や「開業後」です。

アイディア構想段階にかかる出費なんてたかがしれていますよね!それなら、恐れる必要なないですね。
起業をしたいと思われている方は現状で満足できない要因があるから。まずはリサーチを行なって、アイディアを書き出すところから始めましょう!それだけならまだ出費も少ないですよね。
あ(「何をしたい」「どのように実現したい」がもやもやのままだと、起業しても失敗します。アイディアをまとめてみましょう!事業が成功しているストーリーが想像できなければ、当然成功はあり得ませんよ。)

(行政書士)
何をしたい」「どのように実現したい」がもやもやのままだと、起業しても失敗します。アイディアをどんどん出してまとめてみましょう!事業が成功しているストーリーを描いてみましょう。
まとめ

実際に起業されている方の実績を聞くと、意外と起業のハードルは高くないことに気づかれたと思います。
カネ無し・コネ無し・スキル無しであっても、解決策・打開策はたくさんあります。
「失敗したらどうしよう・・・!」そんなことを考えていても前には進みません。とにかく不安を感じているだけの時間はもったいない!何事も行動をしなければ始まりません。
まずは「成功している自分」を想像して、一歩を踏み出してみましょう!
(行政書士)
まず結論から言います。日本の企業では7割程度の企業が10周年を迎えることができています!(出典:2020年版「中小企業白書」)