
スポーツバーはどうでしょうか!やっぱり都会じゃなきゃ成功しないと思うんすよね

(行政書士)
それはなぜですか?

それは、都会には人が集まりまるからです!例えば、両国付近で相撲バーとかどうでしょう!?

(行政書士)
ええと・・・(どこから突っ込めばいい?)
アイディアは面白いと思います。が、両国のある東京にはスポーツバーは何店舗あるかご存知ですか?人口も多いですが、競合も多いですよね?

あ、確かにそうですね・・・

(行政書士)
相撲バーということは、相撲を見ながらお酒を飲むバーだと思いますが、大相撲の放送時間て知ってます?開催期間は?

放送時間は、サザエさんが始まる前までですね・・・。開催期間は・・・(年中無休じゃない!)

(行政書士)
コンセプトは面白いですが、東京はかなり競合が多いため、しっかり差別化を測らなければならないこと。また、かなり工夫を凝らさないと相撲観戦をしながらお酒を楽しむのは難しいのがわかったと思います。

げげげ・・・。何から始めればよいですか・・・?

(行政書士)
はい、まずはエリアの特性を知り分析するところから始めましょう!
日本どこでも開業率・廃業率にあまり差はない!?
まずは、中小企業白書で発表されているデータによると、2017年の日本の開業率は5.6%、廃業率は3.5%です。さらに都道府県のごとの割合を比較してみても、大きくかけ離れているところはありません。開業率で言えば、沖縄が少し高めであること、また、廃業率では富山県がやや高めなぐらいです。
参考:『中小企業白書(2019年)』(中小企業庁)
東京での開業率が高いイメージがあるかもしれませんが、そもそも母数が多いから開業件数に勢いがあるように感じられるだけであり、実際には差はありません。同じように廃業率も東京は他県並であって、東京に進出するからといってそれだけが要因で成功するわけではありません。

むむ、起業するなら東京!と安易に考えるのは間違っている、ということですね・・・
地域ごとに産業構造に特徴はある?
約30年前の地域ごとの中心産業と現在の中心産業を比較すると、その違いは歴然です。30年前、日本は製造業でさせられていましたが、現在ではその割合もグッと減り、小売業や医療・福祉、サービス業と様々な業種に変化してきました。

(行政書士)
なぜこのような産業構造の変化が起きたと思いますか?

新しいビジネスが増えたということですか?
1986年というとバブルが弾ける少し前の時代です。高度成長期を経て、経済は発展・成熟し、サービス業が大きく割合を伸ばし始めました。つまり、製造業の淘汰が起き始めました。そうなると土地の高い都会では採算が合わなくなり撤退が始まります。また、人口密度だけでなく年齢層やそのほかの人口構造の要素も変わったとこで、エリアごとの産業構造は少しずつ変化していったのです。

(行政書士)
当然場所を選ばない、インターネットビジネスの場合はエリアは関係ないですよね。好きなところで開業したらいいと思います。
企業をとりまく外部環境を分析し、見極める!

(行政書士)
あなたが開業予定の地域が、あなたのビジネスにあっているかを考えるためのフレームワークを一つ紹介します。
PEST分析
PEST分析とは、起業を取り巻く外部環境をもっともマクロな視点で分析するフレームワークです。
政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)
これらの頭文字をとってPEST分析と呼んでいます。これらは、起業では直接コントロールできませんが、企業活動に大きな影響を与える要素となります。それぞれの要素に分けて、項目を挙げてみましょう。
- 政治(Politics):法律の制定、変更、他国との経済協定等、地域活性化等の政策
- 経済(Economy):景気、物価、為替、産業構造の変化、個人消費の動向等
- 社会(Society):人口構造、ライフスタイル、価値観の変化、トレンド、社会問題
- 技術(Technology):技術革新、研究のトレンド等
これらの分析で大事なことは、ただ単に項目を羅列するのではなく、あなたの企業と取引先や顧客、株主、取引先等への影響が高い項目は何かを分析する必要があります。さらに、各要素がなぜ自社に影響を与えるのか、どのように影響を与えるのかを分析することにより、自社の機会と脅威を明らかにしていく必要があります。

人口構造はその地域ごとに違うがありますよね。しっかり把握しておかなくては!

(行政書士)
そうです、外部環境の分析はしっかりしてください。例えば、お年寄りをターゲットの健康器具の販売一つとっても、そのエリアの特性を見極めたマーケティング戦略を取る必要があります。同じ商品でも売り方を変えるだけでも、売れ行きがずいぶんと変わるはずです
あなたがビジネスを始めようとしているエリアの外部環境を細かく分析し、そのエリア似合う方法で展開することが求められます。結局は、「都会だから」とか「田舎だから」といった理由で成功が決まるわけではありません。まずはエリアの特性を見極めましょう!
まとめ
エリアごとの開廃業率の違いは実はそんなにないこと、人口構造や景気や経済の成熟度によってエリアごとの産業構造が変化してきたことがわかりました。重要なことはそのエリア各の特性に合わせたビジネスをすることです。そのエリア特性(外部環境)を把握するために、「PEST分析」は非常に効果的です。是非、活用してみてください!
(行政書士)
けいごさんはやってみたいビジネスはそろそろ決まりましたか?