創業融資の申込書の「学歴」・「職歴」は考え抜いて書くべし!

創業融資の申込書や事業計画書のフォーマットには、必ず「学歴」「職歴」等の経歴を書く欄があります。ここは、ただ自己紹介をするスペースではありません。融資担当者にとっては、融資実行の判断をする大事な要素が詰まっています。本編では、「学歴」「職歴」の書き方について解説していきます。

創業融資の融資実行の鍵を握るポイントとは

創業融資の場合、過去の事業の実績がほとんどありません。そのため、銀行の融資担当者は限られた情報から融資の判断をしなければなりません。
通常の融資では「決算書」や過去の取引実績から判断をしていくため、融資の申し込みに「事業計画書」を求められることはケースバイケースになりますが、創業融資の場合は必ず事業計画書の提出が求められます。

創業融資では、この事業計画書の内容が非常に重要な判断材料になってきます。

創業融資の融資実行の判断は、おおよそ下記の要素が重要なポイントとなってきます。

  1. ビジネスモデルのストーリーがきちんと書かれており、筋も通っていること。=計画力がある
  2. その事業計画書を実行する人に、説得力があること。=実行能力がある
  3. 自己資金が十分にあること。=事業を走り出すための最低限のガソリンがある

上記の①②については、事業計画書内でアピールしていくことになりますが、特に②を判断するのが融資の申し込書や事業計画書のフォーマットにある「経営者の学歴・職歴」部分になります。

おおくぼ
(行政書士)

欄も狭く、軽視しがちですが、実は超重要!ということがお分かり頂けましたでしょうか?

ちなみに、①、③については下記の記事で解説しているので、詳しくはこちらをご覧ください。

自己資金について

経営者の「実行力」のアピールの仕方

実際に、日本政策金融公庫の創業融資の「創業計画書」のフォーマットを見てみましょう。(ダウンロードはこちらから)

おおくぼ
(行政書士)

「自己紹介程度」のように軽く考えたらダメです。
全力でアピールしましょう!

ここでのポイントは、以下になります。

  • あなたにはどんなスキルがあるのか
  • そのスキルが新しい事業にどのように役に立つのか
  • どのようなノウハウを持っているのか

上記のような項目をどのようにアピールするためのポイントは、「より具体的な実績」を意識して書くことになります。ただ「株式会社〇〇で〇〇事業部に属していた」では足りず、「株式会社〇〇の〇〇事業部で△△を担当し、実績を昨年比110%を達成した」といった実績まで書きます。資格を取得していた場合、それがどのように起業に役に立つのか、またその資格の難易度まで書きます。
自分の経歴がどのように起業につながっているのかを、具体的にアピールをしていきます。

「学歴・職歴」記載のポイント

ただ書くだけではダメ!具体的にアピールをする!!

  • どこでどんな業務をし、どのような実績を作ったのか
  • 持っている資格が、取得にどのくらい準備し、難易度がどのくらいで、どのように起業に役に立つのか
  • どのようなノウハウがあり、それが起業にどのように役立つのか
    一見、前職で関係のない業務を行なっていても「本質」の部分で共通している要素をPickupする
  • 実績でアピールできる「数字」は出し惜しみせず書く
  • 学歴は、起業後のビジネスに関係がある場合には積極的に書き、勉強内容にまで一歩踏み込んで書く。(関係なくても書きます)

この狭い「経歴欄」であなたの「実行力」を最大限アピールをしていく。これを意識してしっかり記入をしましょう。

まとめ

以上、創業融資の「学歴」・「職歴」の書き方について解説致しました。
創業融資の場合、決算書や実績がないため少ない材料で判断をしていかなければなりません。特に事業計画書の内容は隅々まで見られるため、経歴の部分でしっかりとあなたの実行力のアピールをしていくようにしましょう。

ABOUT US

おおくぼあきこ行政書士
東京都行政書士会所属 行政書士(登録番号:20080167) クライアントの視点を第一に、明るい笑顔と前向きな心を大切に日々業務に取り組んでおります。 <経歴> 2011年 立教大学経営学部卒業 2011〜19年 都内の菓子メーカーにて営業職として勤務 2019年 都内の行政書士事務所にて勤務 2020年 行政書士登録 2020年8月 ネクステップ行政書士事務所 開業