「小規模事業者持続化補助金」は、小規模事業者が受けられる比較的利用しやすい補助金です。最近では通年募集があり、採択率も高いのが特徴です。本編では「一般型」についてを中心に、補助金についての説明と申請のポイントについて解説致します。
もくじ
小規模事業者持続化補助金とは?
「小規模事業者持続化給付金」との違い
2020年春に話題となった「持続化給付金」は、新型コロナウィルス感染症の拡大による営業自粛等によって大きな影響の出た事業者に対して支給された「給付金」になります。補助金と異なり、経費の名目に指定はなく事業全般に広く使えることが特徴です。
小規模事業者が販路開拓や生産性向上のために使用できる補助金になります。2020年度は4回募集があり、また採択率も90%以上と高く難易度はそこまで高くなく、利用しやすいのが特徴です。

(行政書士)
補助金の対象となるのは以下の事業者です。
- 商業・サービス業(宿泊・娯楽業を除く)
→常時使用する従業員の数…5人以下 - サービス業のうち宿泊業・娯楽業
→常時使用する従業員の数…20人以下 - 製造業その他
→常時使用する従業員の数…20人以下
「一般型」と「コロナ型」の違い
「持続化補助金」には「一般型」と「コロナ特別対応型」があります。補助率や対象となる経費に関して内容が異なります。
- 「一般型」:経営計画に基づく、小規模事業者の販路開拓や生産性向上の取組に要する経費の一部を支援することが目的
- 「コロナ特別対応型」:新型コロナウィルスの影響を乗り越えるために「サプライチェーンの既存への対応」・「非対面型ビジネスモデルへの転換」・「テレワーク環境の整備」を目的とした経費の一部を支援することが目的
2020年度に関しては、特にコロナの影響があった事業者に関しては、さらに「事業再開枠」で追加で補助があったり、特定事業者(屋内運動施設・バー・カラオケ・ライブハウス・接待を伴う飲食店)に関してはさらに補助の上限が引き上がります。
補助金の上限・補助率について
「一般型」・「コロナ特別対応型」では補助の上限・補助率は異なります。
一般型
補助の上限額:50万円
補助率:2/3
コロナ特別対応型
補助の上限額:100万円
補助率:
・「サプライチェーンの毀損への対応」2/3
・「非対面型ビジネスモデルへの転換」3/4
・「テレワーク環境の整備」3/4
補助金額の上限イメージは下記になります。(出典:「持続化補助金の手引き」)

どういった経費に補助が出るのか?
「一般型」・「コロナ特別対応型」の補助対象経費は、以下になります。
- 機械装置等費
- 広報費
- 展示会等出展費
- 旅費
- 開発費
- 資料購入費
- 雑役務費
- 借料
- 専門家謝礼金
- 専門家旅費
- 設備処分費
- 委託費
- 外注費
「事業再開枠」は、消毒費用、マスク費用、清掃費用、飛沫対策費用、換気費用、その他衛生管理費用が対象経費となります。
補助金を受けるには
申請先について
申請者の事業所が所在する市区町村にある商工会・商工会議所に申請をします。
そのため、まずは「商工会」・「商工会議所」どちらに申請するべきかを確認する必要があります。

(行政書士)
申請はどこでもよいわけではないので、よく確認しましょう。
補助を受けるまでの手順
申請先を確認したら、次に書類を作成します。
申請書を作成したら、「商工会」「商工会議所」で確認を行てもらいます。事業所を管轄する「商工会」「商工会議所」で確認してもらいます。提出先や流れはそれぞれの機関で異なります。また、ある程度確認の時間が必要なため、時間には余裕をもって確認手続きを行いましょう。
「商工会」「商工会議所」の確認が取れたら申請を行います。審査期間を経て、無事に採択されたら補助事業を開始することができます。
補助事業は、採択後に開始しなければ補助の対象となりません。一般型はすでに支出済みの費用に対しては補助を受けることができないため注意してください。
補助事業が終了したら、実績を報告します。経費の支出の適正性の確認ができたら、「確定通知書」が送付されます。
「確定通知書」が届いたら、「補助金清算払い請求書」を提出します。その後、補助金が支払われることになります。
「公募要領」について
「一般型」と「コロナ型」では公募要領が異なります。それぞれに目的に合合わせて参照してください。
- 都道府県商工会連合会・全国商工会連合会
https://www.shokokai.or.jp/jizokuka_r1h/ - 日本商工会議所
https://r1.jizokukahojokin.info/
- 都道府県商工会連合会・全国商工会連合会
https://www.shokokai.or.jp/jizokuka_t/ - 日本商工会議所
https://r2corona.jizokukahojokin.info/corona/
※「コロナ特別対応型」は公募を終了しております。
書類の書き方 ワンポイント解説

(行政書士)
ワンポイントになりますが申請書の書き方のコツについて解説致します。
- 手引きのルール通りに申請書類を作成する
- 新しい取組が一目でわかるタイトルをつける
- 新しい取組による効果を定量的に説明する
まず、①「手引きのルール通りに申請書類を作成する」ですが、これに関しては、この通りです。
読み手の気持ちを考える、ということも当然ですが、手引きを読み込まずに申請をすると、そもそも「補助の対象外」の内容を申請してしまう可能性があります。よく読んでルールに則た申請をしましょう。
②「新しい取組が一目で分かるタイトルをつける」については、審査する人は膨大な数の申請書を審査することになります。そのため、一読で申請内容が理解できるような申請書を作成する必要があります。
理解を促すために「分かりやすいタイトル」は非常に効果的です。その後の文章が読みやすくなるため、意識してつけてみてください。
③「新しい取組による効果を定量的に説明する」については、補助を受けることで売上が上がることを審査官に納得してもらう必要があり、目分量でかかれたなんとなくの数字よりも、根拠に基づいた数字のほうが説得力に増します。
また、今までの事業との違いや創意工夫した点、他社との差別化のポイントを書かれるとよいでしょう。
以下の記事で売上高の根拠のある計算方法について説明しています。参考にしてみてください。
まとめ

(行政書士)
補助金額自体は大きくありませんが、実際にその金額の利益を出すことはなかなか大変なことではないでしょうか??補助をもらって売上が上がるのは、魅力的ですよね。
以上、「小規模事業者持続化補助金」について説明致しました。
申請書はそこまで難しくありません。是非、活用してみてください。
小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)は、販路開拓や生産性向上の取組に要する経費の一部を支援する制度